相続登記

ここでは不動産の所有者が亡くなったので登記の名義を書き換えたいという場合の手続きについて説明いたします。 一口に登記の名義書換えと言っても、名義書換えの原因によって手続きが異なります。
所有している人は同 じだけど、引っ越しや住居表示の実施によって住所が変わったり、結婚などによって名前が変わった時は、所有権登記名義人住所氏名変更の登記を申請します。
所有者が別の人に変わる場合は、所有権移転登記を申請します。売買・贈与・離婚による財産分与・相続などによって所有者が変わった時はこの登記を申請します。この所有権移転登記も内容によって必要書類や税率(相続登記なら固定資産評価額の1000分の4)が変わってきます。
相続登記では登記済権利証(登記識別情報)は通常必要ありません。ですから亡くなった人が土地や建物の登記済権利証をどこにしまっていたかわからなくても手続きは普通にできます。
以下で相続の手続きに関する詳しい説明を致しますので、興味のある項目をクリックしてください。

相続登記のすすめ

まず、しばしば誤解されている方もおりますが、相続登記(すべての権利に関する登記)は法律上申請が義務づけられているわけではありません。ですから不動産を売却するなどの処分をしたり、不動産を担保に金融機関などからお金を借りるなどの必要が無ければ、相続登記をしないでも問題は無いわけです。
しかし、当事務所では以下の理由から早めに相続の登記を申請することをおすすめいたします。

(理由1) 書類が揃わなくなる可能性がある。

相続登記には相続証明書が必要となりますが、このうち住民票の除評(5年)・戸籍の除附票(5年)・除籍謄本(80年)には保存期間があります。相続登記を経ないまま長期間が経過すると、保存期間が満了した書類は市町村役場にて廃棄されてしまいます。こうなっても必ずしも相続登記ができなくなるわけではありませんが、登記手続きに多くの費用や時間がかかることになります。また、裁判を行わないと登記ができなくなるケースもあります。

(理由2) 協議ができなかったり、まとまらない可能性がある。

相続発生の直後では、相続に関して話がまとまっていた場合でも、長期間が経過すると事情が変わることがあります。相続開始時より経済状態が悪化している人がいると以前に承知していたはずの内容でもハンコを押せないということはしばしばあります。また、兄弟同士で話しがついていても、その子供同士の代になると疎遠になり、そんな話しは知らないということで協議をやり直さなければならないこともあり得ます。ひどい時には代替わりが進みすぎて、相続人が何十人にもなった結果、集まって話し合うことすら困難になることもあります。

相続登記手続きの流れ

相続登記手続きの流れ

相続に関する用語

 
法定相続人 法律上相続人と定められている親族です。
具体的には故人の配偶者と被相続人(故人)の血族が法定相続人となります。
  配偶者 被相続人の夫又は妻。内縁関係は該当しません。
なお、配偶者は常に相続人となります。
被相続人の子は第1順位の相続人となります。養子・特別養子・胎児も相続人となり、子が複数の時はその人数で均等割りするが、嫡出子と非嫡出子がいる場合は非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1の割合となります。相続の時点で子が既に死んでいても孫・曾孫等の直系卑属がいれば、子の代襲相続人となります。
直系尊属
(親・祖父母)
第2順位の相続人です。
被相続人に子等の直系卑属がいない場合、相続人となります。親と祖父母がいる場合、近い方(親)が相続人となります。
兄弟姉妹 第3順位の相続人です。第1・2順位の相続人がいない場合相続人となります。子と異なり代襲は一代限り(甥・姪)までで、上記の相続人と異なり遺留分もありません。
法定相続人と相続分・遺留分
順位 相続人 相続分 遺留分
配偶者 他の親族 配偶者 他の親族 配偶者 他の親族
1 あり 2分の1 2分の1 4分の1 4分の1
2 あり 直系尊属 3分の2 3分の1 3分の1 6分の1
3 あり 兄弟姉妹 4分の3 4分の1 2分の1 なし
4 あり なし 全部 2分の1
5 なし 全部 2分の1
6 なし 直系尊属 全部 3分の1
7 なし 兄弟姉妹 全部 なし

*同順位で同じ資格の相続人がいる場合は、その数で均等割となります。
ただし、非嫡出子は嫡出子に対して2分の1の割合です。

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遺留分 相続人に保障された最低限の権利です。
遺言は自分の考えのとおりに自分の財産の分配を決めるものですが、例えば家族でもない他人に全ての財産をあげてしまうような遺言があったら、残された家族が生活できなくなってしまうこともありえます。遺留分とはそのような時に相続人を守るため、相続人が遺産の一部を相続することを認める制度です。遺留分の内訳などについては上の表のとおりです。 なお、遺留分を侵害するような遺言があっても、自動的に遺留分の権利が認められるのではなく、権利の主張(遺留分減殺請求)が必要です。
推定相続人 相続が発生した時に相続人となることが予想される人です。
具体的には法定相続における第1位の親族が該当します。
遺産分割協議 遺産は、遺言があれば遺言に従って分配し、無ければ法定相続によってすべての遺産を相続人で共有します。しかし、遺産を共有のままにしておくと管理や処分に手間がかかりわずらわしいので、相続人全員で話し合いをして遺産を分け合うことを遺産分割協議といいます。協議を行うには成年でないとならないので、相続人のうち未成年者や胎児がいる場合は、特別代理人を選任する必要があります。
遺産分割協議で重要なことは、相続人全員が参加しなければならないという点です。一人でも足りないとその協議は無効なので、法定相続人が誰であるかという調査は、登記に限らず相続手続きにおいては非常に重要です。
また、遺産分割協議は遺言で分割を禁止されている期間でなければ、相続開始後ならいつでもできます。また、いつまでにという期限はありません。
相続 承認 単純承認とも言われ相続人が被相続人の権利義務を引き継ぎます。相続人が自己のために相続開始したことを知った後の三カ月内に「限定承認」や「相続放棄」をしないと法律上承認したことになるので、相続ではほとんどが単純承認となります。また、前記間内であっても相続人が被相続人の財産を処分した(保存行為は除く)場合も法定単純承認となります。
限定
承認
被相続人の義務を相続財産の限度内で引き継ぎます。
例えば300万円の借金と100万円の財産を相続した場合は、限定承認なら相続財産である100万円から弁済をすれば、それ以上の義務を相続人は負いません。
手続きとしては相続開始後3カ月内に相続財産をすべて調査し相続人全員で家庭裁判所に申立を行わなければなりませんが、この要件を満たすのが難しいので現実にはあまり使われていません。
放棄 相続の放棄をするとはじめから相続人にならなかったとみなされます。
故人が借金を残して亡くなった場合や相続人の地位を特定の人に集中させたい時に相続の放棄が行われます。なお、借金を残した故人の子全員が相続の放棄をすると次の順位の人(故人の親や兄弟)が相続人になるので、その際は相続人になる人への連絡など注意が必要です。
手続きとしては自分が相続人となったことを知ってから、3カ月内に家庭裁判所に申立てることが必要です。
遺産分割協議で自分が財産をもらわないことを放棄という人がいますが、法律用語としての相続の放棄とは裁判所で行うこの手続きを指します。
遺言書 当事務所のサイトの遺言のページにて記載。

相続登記の必要書類

 
被相続人 12歳くらいから死亡するまでの全ての戸籍謄本及び除籍謄本
住民票の除票の写し
相続人 戸籍謄本
住民票の写し
遺言による場合 公正証書遺言書
家庭裁判所の検認済みの自筆証書遺言書または秘密証書遺言書
(自筆証書遺言書検認申立書または秘密証書遺言書検認申立書)
遺産分割の場合 実印押印済みの遺産分割協議書
協議書に押印した人全員の印鑑証明書
(相続人・特別代理人・不在者財産管理人)
遺産分割協議において未成年者・胎児がいる場合 未成年者特別代理人の選任審判書
(未成年者特別代理人の選任申立書)
相続人に
行方不明者が
いる時
不在者財産管理人の選任審判書
権限外行為の許可書
(不在者財産管理人の選任申立書・権限外行為の許可申立書)
その他 不動産固定資産評価証明書
相続関係説明図
特別受益証明書など

(  )内は家庭裁判所での手続きに必要な書類です。

*上記書類のうち、遺言書及び印鑑証明書以外はすべて当事務所での作成・手配が可能です。  
また、生前に遺言書を作りたいという場合は、当事務所では作成のお手伝いも行っております。詳しくは遺言を参照してください。

当事務所にご依頼していただく場合は、下記の方法で連絡願います。  
ご依頼いただいた場合には、事務所より当初用意していただく書類や面談の日時について連絡いたします。  
また、インターネット割引(報酬より5,000円減額)を実施していますので、連絡の際はホームページを見たとお申し出ください。

ふじみ野法務事務所の連絡先

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登記以外の相続に関する手続きについては相続に伴う各種手続きをご覧ください。

 

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